Goldを見ていると、「さっきまで静かだったのに、急に動き出した」と感じることがあります。

その理由のひとつは、時間帯です。Goldは一日中同じ性格で動いているわけではありません。人の街にも、朝の通勤時間、昼の落ち着く時間、夜の混む時間があるように、相場にも「動きやすい時間」と「落ち着きやすい時間」があります。

今回のデータで見えた一番大事なことは、Goldは方向を当てるより先に「今は動きやすい時間か」を見る方が現実的、ということです。

今回見たデータ

ここで使っている数字は、raw tickを1つずつ完全に再生したものではありません。高品質データから作られた15分足の履歴を使った観察統計です。そのため、瞬間的なスプレッド約定順序、スリッページまでは見ていません。

また、この記事ではすべて日本時間で書きます。元データのUTC表記は、日本時間に直すと「+9時間」です。

まず結論:Goldが動きやすかった時間

過去1年のデータでは、特に値幅が出やすかったのは日本時間の夜です。

日本時間元の時間60分の値幅値幅拡大率継続率だまし率
22:0013:00 UTC2.88599.42%76.26%19.26%
23:0014:00 UTC2.54698.93%72.28%21.01%
21:0012:00 UTC2.46199.12%74.02%20.90%
09:0000:00 UTC2.32999.61%74.31%20.49%
00:0015:00 UTC2.01896.48%69.82%21.19%

「60分の値幅」の数字は、最近の平均的な値幅を1としたときの大きさです。たとえば2.885なら、平均的な値幅の約2.9倍くらい動いた、というイメージです。

一番わかりやすい差は、22:00と12:00です。

日本時間60分の値幅値幅拡大率
22:002.88599.42%
12:001.29373.92%

過去1年では、22:00の方が12:00よりも、かなり値幅が出やすい時間でした。単純に比べると、値幅の中央値は約2.2倍です。

これは「上がりやすい時間」ではない

ここは大事です。今回のデータは、上がりやすい時間、下がりやすい時間を当てるものではありません。

方向は多くの時間帯でほぼ五分五分でした。つまり、22:00だから買い、23:00だから売り、という話ではありません。

このデータが教えてくれるのは、方向ではなく相場が起きやすい時間です。たとえるなら、駅前の人通りを見ているようなものです。人が多い時間は何かが起きやすい。でも、誰が右へ行くか左へ行くかまでは、それだけでは分かりません。

だましに注意したい時間

値幅が出る時間は、チャンスに見えやすい一方で、だましも起きます。特に今回の集計では、日本時間18:00〜20:00あたりで、だまし率がやや高めに出ています。

日本時間元の時間60分の値幅だまし率
18:0009:00 UTC1.54322.18%
19:0010:00 UTC1.59021.69%
20:0011:00 UTC1.93121.68%
15:0006:00 UTC1.80221.27%
00:0015:00 UTC2.01821.19%

もちろん、この差だけで「この時間は危険」と決めつけるのは早いです。ただ、初心者がブレイクに飛び乗りやすい時間として、注意して見る価値はあります。

どう使うとよいか

このデータは、エントリーの合図として使うよりも、相場を見る順番を整えるために使う方が自然です。

料理で例えるなら、火加減を見ずに食材を入れない、ということです。強火の時間と弱火の時間では、同じ食材でも仕上がりが変わります。相場も同じで、同じチャートパターンに見えても、時間帯によって値動きの出方が変わることがあります。

H1で見た補足:足代わりは反転も多い

別の集計では、1時間足の足代わりで「前の1時間の流れを引き継ぐか、反対に動くか」も見ています。

たとえば日本時間23:00〜00:00あたりは、比較的値幅が出やすく、流れが続く場面も見られました。一方で、日本時間20:00あたりは、前の流れと逆に動く割合がやや高めでした。

ただし、H1の時間別集計はサンプルが100〜200件前後の時間もあるため、ここは参考値です。強い結論ではなく、「足代わりでは流れが変わることもある」と見るくらいがちょうどよいです。

まとめ:Goldはまず時間を見る

今回の検証で一番伝えたいのは、Goldはチャートの形だけで判断するより、まず時間帯を見ると理解しやすいということです。

初心者ほど、ローソク足の形だけを見て「これは上に行く」「これは下に行く」と考えがちです。でも相場には時間のリズムがあります。Goldを見るなら、まず「今は相場が起きている時間なのか」を確認する。その一手間だけで、チャートの見え方はかなり変わります。

注意:この記事は過去データを使った学習用の観察統計です。将来の値動きや利益を保証するものではありません。実際の売買では、スプレッド、スリッページ、ニュース、損切り幅、資金管理を必ず別途確認してください。また、今回の集計はM15/H1履歴とMT4 tick volumeを使ったもので、raw tickの約定順序や瞬間スプレッドまでは評価していません。

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