RSIが70以上になると、「買われすぎだからそろそろ下がる」と考えたくなる人は多いと思います。
しかし、実際の相場ではRSI70以上になったあとも、そのまま上昇が続くことがあります。特にGoldのように勢いが出やすい銘柄では、RSI70到達だけを理由に逆張りすると、かなり早すぎる場面があります。
今回は、2026年の一部期間のXAU/USD tickデータを使って、H1 RSI(14) が70以上になった場面を集計しました。
結論から言うと、RSI70以上は単純な逆張りサインではありません。ただし、RSI70以上でH1陽線が3本以上続いたあとは、ロング追随を控えるフィルターとして使える可能性があります。
最初に確認
この記事は過去データの検証メモです。特定の売買判断を案内するものではありません。対象期間は2026年1月2日〜2026年4月24日までで、サンプル数も限られています。将来も同じ傾向が続くとは限りません。
検証条件
今回の集計条件は以下です。
| 対象 | XAU/USD 実tickデータ |
|---|---|
| 期間 | 2026年1月2日〜2026年4月24日 |
| 価格 | Bid価格 |
| 時間足 | H1足を作成 |
| 時間 | MT4互換 eu_dst server time |
| 指標 | RSI(14)、H1 close基準 |
| 見た条件 | RSI>=70 かつ H1陽線の連続数 |
tick数は31,938,341、作成されたH1足は1,835本、RSIが有効な足は1,821本でした。
※過去データに基づく統計であり、将来の成果を約束するものではありません。
まず分かったこと:RSI70以上はすぐ終わらない
今回の期間では、RSI70以上になったH1足は172本ありました。
| 項目 | 本数 |
|---|---|
| RSI有効足 | 1,821本 |
| RSI>=70 | 172本 |
| RSI>=70 かつ陽線 | 127本 |
| RSI>=70 かつ陰線 | 45本 |
ここで大事なのは、RSI70以上になったからといって、すぐに下落へ転じるわけではないという点です。
実際、RSI70以上の状態は最大24本続いています。H1で24本ということは、ほぼ丸一日近く、過熱感がある状態のまま推移したことになります。
RSI70到達だけで「買われすぎ」と判断して逆張りするのは、かなり早すぎる可能性があります。
※過去データに基づく統計であり、将来の成果を約束するものではありません。
RSI70以上で陽線が続いたケース
次に見たのが、「RSI70以上」かつ「H1陽線」が何本続いたかです。
最大連続は8本でした。今回の期間では、8本連続が2回あります。
| 期間 | 内容 | 値幅 |
|---|---|---|
| 2026年1月20日 23:00 → 2026年1月21日 07:00 | RSI 75.38 → 90.42、Close 4762.945 → 4869.745 | +106.800 |
| 2026年1月28日 03:00 → 2026年1月28日 10:00 | RSI 73.28 → 82.41、Close 5204.265 → 5293.345 | +89.080 |
この結果を見ると、RSI70以上でも上昇がかなり伸びる場面があることが分かります。RSIは「到達したら反転する場所」ではなく、「勢いが強い状態を示すこともある」と考えた方が自然です。
※過去データに基づく統計であり、将来の成果を約束するものではありません。
面白い偏り:陽線3本以上のあと
今回いちばん面白かったのは、RSI70以上でH1陽線が3本以上続いたあとの次のH1足です。
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| RSI>=70 かつ H1陽線が3本以上続いたケース | 17回 |
| その直後の次H1足 | 17回中17回がマイナス |
| 次足平均 | -12.044ドル |
| 中央値 | -9.840ドル |
| 最大上昇 | -1.230ドル |
17回中17回すべてで、次のH1足がマイナスになりました。これはかなり強い偏りに見えます。
ただし、サンプルは17回です。数としては多くありません。強すぎる結果ほど、後付け条件、期間の偏り、データ処理のミスを疑う必要があります。
この条件は、逆張りエントリー条件というより、ロング追随を止めるための過熱フィルターとして見る方が現実的です。
※過去データに基づく統計であり、将来の成果を約束するものではありません。
ロング側の使い方
ロング側では、RSI70以上だけで新規ロングをすべて止める必要はなさそうです。
今回のデータでは、RSI70以上でも上昇が続く場面がありました。つまり、RSI70到達だけで「もう上がらない」と決めるのは早いです。
ロング側のフィルター案
- H1 RSI>=70 だけではロング禁止にしない
- ただし、H1 RSI>=70 かつ H1陽線3本以上なら新規ロングは見送る
- 既存ロングがある場合は、部分利確、建値移動、トレーリング強化を検討する
- 上位足の節目が近い場合は、さらに慎重に見る
使い方としては、「まだ上がるかもしれないが、ここから新しく追いかけるには遅いかもしれない」と判断するためのフィルターです。
ショート側の使い方
ショート側では、RSI70到達直後の逆張りは早い可能性があります。
RSI70以上の状態が最大24本続いたことを考えると、RSI70だけで売り向かうのは、強い流れに逆らうことになります。
ショート側の確認案
- RSI70以上になっただけでは判断しない
- RSI70以上かつH1陽線3本以上を過熱状態として見る
- 次のH1で陰線確定するかを確認する
- M5/M15で高値更新失敗、戻り売り形状、短期MA割れなどの反転材料を見る
つまり、ショートは「RSIが高いから」ではなく、「過熱後に実際に崩れ始めたから」という確認を待つ方が自然です。
避けたい使い方
このデータは面白いですが、使い方を間違えると危険です。
過信しない
- RSI70以上だから即ショート、と決めない
- RSI70以上だからロング全禁止、と決めない
- 2026年1月〜4月の偏りを、すべての相場にそのまま当てはめない
- サンプル17回の結果だけで単独フィルターにしない
- 条件を重ねすぎて、取引数が極端に減らないか確認する
特に、17回中17回という結果は強く見えます。だからこそ、追加検証が必要です。
既存戦略に入れるなら
この条件を使うなら、「H1過熱継続フィルター」として扱うのがよさそうです。
かつ
H1陽線が3本以上連続
→ 新規ロングを禁止
→ ショートは次H1陰線確定、またはM5/M15反転確認後のみ検討
この条件は、エントリーを増やすものではなく、むしろ危ない追随を減らすための条件です。
現時点では「反落を取りに行く条件」よりも、「上がりすぎたあとにロングを追わない条件」として見る方が使いやすいです。
次にやるべき検証
この仮説を実戦に近づけるには、次の検証が必要です。
- 2024年、2025年でも同じ傾向が出るか
- 2026年5月以降のデータでも傾向が残るか
- 東京、ロンドン、ニューヨーク時間で分けるとどう変わるか
- CPI、FOMC、雇用統計などのイベント日を除外しても残るか
- 次足だけでなく、次の3本・5本の最大順行と最大逆行を見る
- 陽線2本、3本、4本、5本で傾向がなだらかに変わるか
- 既存戦略に入れたとき、取引数、PF、期待値、DDがどう変わるか
特に、3本だけが極端に効くなら後付けの可能性があります。2本、3本、4本でなだらかに傾向が変わるなら、条件としての信頼度は上がります。
まとめ
今回の2026年1月2日〜4月24日のGold tick統計では、次のような特徴が見えました。
- RSI70以上は、単純な逆張りサインではない
- RSI70以上の状態は最大24本続いた
- RSI70以上かつH1陽線は127本あった
- RSI70以上かつH1陽線3本以上の直後は、17例すべて次H1足がマイナスだった
- ただしサンプル17例なので過信は禁物
- 現時点では、ロング追随を止める過熱フィルターとして有望
RSI70以上は「売る場所」ではなく、「勢いが強い状態」として見る。そのうえで、陽線が続きすぎた場面だけ、追随を控える。この考え方が今回のデータから見える一番実戦的な使い方です。