動画解説|誤解の五戒 2
今回のテーマは、「毎回違う料理を作る人は、上達しているようでしていない」です。
トレードを始めると、移動平均線、RSI、MACD、三尊、ブレイク、逆張りなど、いろいろな手法が目に入ります。
学んでいるつもりでも、毎回見るものや使うものを変えていると、負けた理由が見えにくくなります。
大事なのは、手法をたくさん知ることではなく、ひとつの型を磨くことです。
料理評論家と料理人は違う
いろいろな料理を食べて、「この店は塩が強い」「火入れが甘い」「味のバランスがいい」と語れる人は、料理に詳しい人かもしれません。
でも、それは料理人とは違います。
料理人は、自分の手で一皿を作ります。
失敗して、原因を見て、火加減を変え、順番を変え、材料の下準備を変え、もう一度作る。
その繰り返しで、少しずつ一皿の完成度を上げていきます。
トレードも同じです。
手法を語れる人になるのか。
自分のロジックを磨ける人になるのか。
ここには大きな違いがあります。
毎回違う手法だと、原因が見えない
昨日はブレイクで負けた。
今日は逆張りで負けた。
明日はインジケーターで入って負けた。
これを繰り返していると、何が悪かったのかが混ざります。
手法が悪いのか、入る場所が悪いのか、待ち方が悪いのか、利確が遠すぎたのか、損切りが近すぎたのか、相場環境が合っていなかったのか。
原因が分からないので、改善もしにくくなります。
料理で言えば、昨日はカレー、今日は寿司、明日はラーメン、次はパスタを作るようなものです。
経験しているように見えて、どの料理も一回ずつなら、何を直せば美味しくなるのかが深く見えません。
同じロジックは、定点観測になる
同じロジックを使い続ける意味は、勝ち負けだけではありません。
視点が定まることに価値があります。
毎日違う場所から空を見ていると、天気の変化なのか、場所の違いなのかが分かりにくい。
でも、毎日同じ場所から空を見ると、この雲が出ると雨が近い、この風向きだと崩れやすい、という変化に気づきやすくなります。
トレードでも同じです。
同じロジック、同じ視点で相場を見続けるから、その前後で何が起きやすいのかが見えてきます。
三尊だけを見る人は、三尊の前後を見つけやすい
例えば、三尊だけを見続けている人がいたとします。
その人は、いろいろなチャートパターンを浅く追う人よりも、三尊の前後で何が起きるのかを発見しやすくなります。
- 三尊になる前に、どんな値動きが出やすいのか
- 右肩を作る前に、買いの勢いがどう弱まるのか
- ネックラインを割る前に、どんな売買の攻防があるのか
- 一度抜けた後、どこでだましが起きやすいのか
- どんな三尊は機能しやすく、どんな三尊は崩れやすいのか
広く見る人は、三尊という名前を知っています。
でも、定点観測している人は、三尊が生まれる前兆、崩れる気配、効かない場面まで見えてきます。
まず一皿を決める
最初から完璧な手法を探す必要はありません。
まずは、何を狙うのかを決めることです。
自分が取りに行く値動きという一皿を決める。
その一皿を作るために、ライン、Zone、上位足、ボラティリティ、時間帯など、必要な材料を選んでいく。
これがロジック作りです。
検証する前に捨てるのは早い
もちろん、ひとつの手法に固執しろという意味ではありません。
相場に合わないものを、無理に使い続ける必要はありません。
ただし、数回負けただけで「この手法は使えない」と決めるのは早いです。
見直すべきは、手法そのものではなく、使い方かもしれません。
- 場所が悪かったのか
- 待ち方が浅かったのか
- 利確が遠すぎたのか
- 損切りが近すぎたのか
- 上位足の向きと逆だったのか
- ボラティリティが足りなかったのか
料理で言えば、塩の量を間違えているのに、料理そのものを変えてしまうようなものです。
チャーハンがまずかった原因は、チャーハンという料理が悪いからではなく、作り方が悪かっただけかもしれません。
まとめ
繰り返すから違いが見える。
違いが見えるから原因が分かる。
原因が分かるから修正できる。
修正できるから、手法が磨かれていきます。
トレードで強くなることは、突然すごい手法に出会うことではありません。
自分の見方と判断を磨いていくことです。
たくさん知っている人ではなく、磨ける人が強い。
前回の記事はこちらです。
誤解の五戒 1|まずはチャーハンを極めろ。チャートを離れて考えるトレードの作り方
※本記事はトレード学習のための考え方を整理した教育コンテンツです。売買を指示するものではありません。FX/CFDには相場変動、レバレッジ、スプレッド拡大、スリッページ等により損失が生じる可能性があります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。