今回は、Gold / XAUUSD の直近10暦日だけを切り出して、EMAクロスがどのように反応していたかを確認しました。
結論から言うと、2026年8月中旬のGoldでは、M15のゴールデンクロス系が目立つ結果になりました。ただし、これは「このEMAを使えばよい」という話ではありません。期間は10暦日と短く、取引数も多くないため、あくまで直近相場に合っていた候補を探すための観察データとして読む必要があります。
検証した内容
- 対象:Gold / XAUUSD
- 期間:2026年8月11日〜2026年8月20日(UTC)
- 時間足:M1 / M5 / M15 / H1 / H4
- EMA組み合わせ:各時間足64組
- ロング:EMAゴールデンクロス
- ショート:EMAデッドクロス
- エントリー:確定足でクロス判定後、次の実Bid/Askティックで約定
- 決済:TP 15ドル / SL 20ドル / 最大保有12時間
- コスト:実Bid/Ask差、手数料、fill逆行コスト込み
- 重大ニュース:前30分、後60分を除外
- 処理tick:約1,900,754行
今回は時間帯、上位足、ATR、前足の形などのフィルターは入れていません。つまり、EMAクロスだけを見た場合に、直近の相場でどの候補が目立ったかをざっくり見る検証です。
ロング側で目立った候補
取引数10回以上の候補で見ると、上位はM15に集中しました。
| 時間足 | EMA | 取引数 | 勝率 | PF | 期待値R | Net R |
|---|---|---|---|---|---|---|
| M15 | 13 / 18 | 11 | 81.8% | 3.356 | 0.433 | 4.761 |
| M15 | 8 / 29 | 11 | 81.8% | 3.355 | 0.431 | 4.741 |
| M15 | 10 / 44 | 10 | 80.0% | 2.994 | 0.402 | 4.024 |
| M15 | 13 / 21 | 10 | 80.0% | 2.992 | 0.402 | 4.016 |
| M15 | 10 / 31 | 10 | 80.0% | 2.973 | 0.403 | 4.027 |
数字だけを見るとかなり強く見えます。ただし、取引数は10〜11回程度です。ここを大きく見せすぎると危険です。
むしろ読み方としては、この期間のGoldは、M15レベルの上方向クロスに対して短期継続が出やすい地合いだった可能性がある、くらいがちょうどよいです。
ショート側はどうだったか
ショート側にもPF1超の候補はあります。ただし、ロング上位ほどの派手さはありませんでした。
| 時間足 | EMA | 取引数 | 勝率 | PF | 期待値R | Net R |
|---|---|---|---|---|---|---|
| M5 | 25 / 33 | 19 | 63.2% | 1.468 | 0.153 | 2.900 |
| M5 | 30 / 33 | 16 | 62.5% | 1.434 | 0.143 | 2.291 |
| M15 | 8 / 16 | 16 | 62.5% | 1.434 | 0.141 | 2.260 |
| M15 | 2 / 5 | 34 | 64.7% | 1.402 | 0.134 | 4.565 |
| M5 | 10 / 15 | 31 | 64.5% | 1.381 | 0.128 | 3.961 |
ショートはM5やM15に候補がありましたが、PFは1.3〜1.4台が中心です。ロング側のM15上位と比べると、直近10日間では上方向の方が数字としては目立ちました。
これは「最強EMA発見」ではない
ここが一番大事です。
今回の結果は、万能ロジックを見つけたという話ではありません。直近10日間のGoldという、かなり限定された環境で、どのEMAクロスが相場に合っていたかを見たものです。
料理で例えるなら、今日の鍋にどの調味料が合ったかを味見したようなものです。
その日の具材、水分量、火加減、煮込み時間があって、たまたま味噌が合ったのかもしれない。別の日の鍋では、同じ味噌を入れても濃すぎるかもしれないし、塩の方が合うかもしれない。
EMAも同じです。ある期間に効いた組み合わせは、レシピ候補にはなる。でも、万能の味付けではない。
では、どう使うべきか
このデータの使い道は、売買の指示ではなく、研究の入口です。
- 直近相場は上方向の継続が出やすかったのか
- M15のクロスが効きやすい地合いだったのか
- M5では細かすぎるのか、M15くらいが合っていたのか
- ショートはなぜロングほど伸びなかったのか
- 上位足の方向やボラティリティを加えるとどう変わるのか
こういう問いを立てるための材料として見ると価値があります。
ロジックを作るときに大切なのは、インジケーターの組み合わせだけを探すことではありません。今の相場がどんな偏りを持っていて、その偏りに自分のロジックが合っているかを見ることです。
次に見るべきこと
この結果を本当に使える検証に近づけるなら、次は以下を確認したいところです。
- 別期間でも同じ傾向が出るか
- 8月前半だけでなく、7月や6月ではどうだったか
- 上位足が上向きのときだけに絞るとどうなるか
- ATRや値幅の条件を入れるとPFやDDは改善するか
- 取引数が増えても期待値が残るか
- 未使用期間で同じ条件を試しても崩れないか
短期検証で良く見えたものほど、次の期間で崩れることがあります。だから、まずは「候補」として扱い、そこから条件を足したり、別期間で確認したりする必要があります。
まとめ
今回の直近10日間の検証では、GoldのM15ゴールデンクロス系が目立ちました。
- M15 EMA 13 / 18:11回、勝率81.8%、PF 3.356
- M15 EMA 8 / 29:11回、勝率81.8%、PF 3.355
- M15 EMA 10 / 44:10回、勝率80.0%、PF 2.994
ただし、これは短期データです。取引数も多くありません。ここから言えるのは、この期間のGoldではM15の上方向クロスが相場に合っていた可能性があるというところまでです。
大事なのは、数字を見てすぐ飛びつくことではなく、数字から「今の相場に何が合っていたのか」を考えることです。
インジケーターは答えではなく、味見の道具です。どの材料に、どの火加減で、どの順番で使うか。そこまで考えて初めて、ロジックは自分のレシピになっていきます。
本記事は過去データを使った学習用の検証メモです。売買を指示するものではありません。短期間の結果は偶然の影響を強く受けます。スプレッド、約定、スリッページ、相場環境、ニュース、ブローカー条件によって結果は変わります。将来の値動きや利益を保証するものではありません。