ドル円は、過去5年間でどれくらい連続して上がったことがあるのか。今回はUSDJPYの高品質tickデータから、日足終値ベースの「連続上昇・連続下降」を集計しました。
結論から言うと、USDJPYは過去5年間で最大12営業日連続で上昇していました。
逆に、最大の連続下降は7営業日でした。つまりドル円は、思っている以上に一方向へ偏り続けることがあります。
「そろそろ反転するだろう」は本当に危ない
チャートを見ていると、何日も上がった後にこう考えたくなることがあります。
「さすがに上がりすぎだろう」
「もうそろそろ下がるはず」
「ここから逆張りしたら取れそう」
でも、相場は人間の感覚に合わせて止まってくれるわけではありません。上がった日数が多いから反転する、という単純なルールはありません。
連続上昇のデータを見る意味は、次も上がると決めつけるためではなく、「偏りは想像以上に長く続くことがある」と知るためです。
集計条件
今回の集計条件は以下です。
| 対象 | USDJPY |
|---|---|
| 期間 | 2021年8月7日〜2026年8月6日(UTC日足) |
| データ | Sigma production archive の実Bid/Ask tick |
| 処理tick数 | 164,571,362件 |
| 日足本数 | 1,304本 |
| 対象曜日 | 月曜〜金曜。週末と部分的な日曜セッションは除外 |
| 判定方法 | その日の最終Bidが、前の観測営業日の最終Bidより高ければ上昇1日。低ければ下降1日。 |
ここで見ているのは、日足の「終値」が前営業日より高いか低いかです。日中の値動きやヒゲの長さではなく、営業日ごとの終わり方を数えています。
結果:最大12営業日連続で上昇
| 方向 | 最長連続 | 対象日 | 終値変化 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|
| 上昇 | 12営業日 | 2022年10月5日〜2022年10月20日 | +6.320 | +4.39% |
| 下降 | 7営業日 | 2025年6月23日〜2025年7月1日 | -2.683 | -1.84% |
過去5年間の中で、ドル円は12営業日連続で前営業日より高く終わった期間がありました。期間は2022年10月5日から10月20日までです。
この間の終値変化は+6.320、変化率は+4.39%。日足終値ベースで見ても、かなり強い偏りが続いた場面だったと言えます。
初心者が間違えやすいポイント
大事なのは、12営業日連続で上がったからといって「次も上がる」という話ではないことです。
同時に、何日も上がっているから「もう下がる」と決めつけるのも危険です。
連騰相場で一番やってはいけないのは、相場の偏りを見ずに、自分の感覚だけで逆張りすることです。
注意したい考え方
「5日も上がったから、そろそろ下がる」
「昨日も上がったから、今日は売りで入ればいい」
「上がりすぎだから、逆に張ればおいしい」
このような判断は、相場の流れよりも自分の都合を優先している可能性があります。
例えるなら、向かい風の日に走るようなもの
強い上昇が続いている相場で、根拠なく売り向かうのは、向かい風の日に全力で走るようなものです。
走れないわけではありません。体力があれば少しは進めます。でも、追い風の日と同じ走り方をしても、効率は悪くなります。
トレードも同じです。売りを狙ってはいけない、という話ではありません。ただし、相場が上方向に偏っているなら、売りはより慎重に見る必要があります。
反転を狙うなら、「上がりすぎたから」ではなく、買いの勢いが弱くなった、上で維持できなくなった、下位足で売りが優勢になった、などの確認が必要です。
連続日数よりも見たいもの
連続上昇の日数は面白い数字ですが、それだけで売買判断をするものではありません。
実戦で見るべきなのは、次のような部分です。
- 上昇が続いている間、押し目はどこで買われているか
- 高値更新後に、次の足でも上を維持できているか
- 節目を抜けた後、旧抵抗が支えに変わっているか
- 上昇しているのに、実体が小さくなっていないか
- 上位足の方向と、下位足の反発方向がそろっているか
連騰の事実は「今の相場に偏りがあるかもしれない」と気づくきっかけです。そこから、どの時間足で、どの節目で、どちらの勢力が優勢なのかを見ていく必要があります。
クイズにするとこうなる
今回のデータは、学習用のクイズとしても使いやすい内容です。
Q. 過去5年間で、USDJPYの日足終値は前営業日より高い状態が最高何営業日連続したでしょう?
9日 / 11日 / 12日 / 14日
答え:12営業日
Q. 過去5年間で、USDJPYの日足終値は前営業日より低い状態が最高何営業日連続したでしょう?
4日 / 6日 / 7日 / 9日
答え:7営業日
このクイズで伝えたいのは、相場には「人間のそろそろ感」を超えて偏る場面があるということです。
まとめ
USDJPYは、過去5年間のtickデータ集計では、最大12営業日連続で日足終値が前営業日より高くなっていました。
この数字から学べることは、上昇が続いた後に売るべき、ということではありません。むしろ逆です。
相場の偏りが出ているときは、「そろそろ反転するだろう」ではなく、「まだ偏りが続く可能性もある」と考える。
そのうえで、節目、値幅、ローソク足の実体、下位足の転換、上位足の方向を合わせて見る。これが、連騰相場を観察するときの現実的な向き合い方です。